「Angel Wings」

はこんな話


[世界設定]

地球とよく似た世界が舞台。パラレルワールドと考えていい。技術的には現代の地球より少し進んでいる。

[Angel Wingsとは]

国際NGO組織。航空機を中心にした活動を行う特異な団体。元々は国際救護機関(IR)の航空輸送部門だったものが独立した組織。現在では国際救護機関の支援だけではなく、その他のNGOの支援も行う。要員輸送、物資輸送、避難民輸送、災害救援、災害地偵察、病人の搬送などさまざまな任務を遂行している。他のNGOにとっては、維持費のかかる輸送部門を持たずにすむのでありがたい存在である。また、民間機が行きたがらない場所でも行けるというメリットもある。政治的に中立を保ち、国際的にも高く評価されている。軍、民間を問わずパイロットたちのあこがれといわれる。本部の下に世界10地域に支部がある。
11番目の支部は払い下げ空母「ナイチンゲール」を拠点とする移動支部である。陸上の空港が使えない場合などに近くの海域に停泊し、活動拠点となる。

[ストーリー]

ティグレ大陸東支部の偵察・護衛部隊、「ドラゴンフライ隊」の新入パイロット”レイディ”が主人公。さまざまな任務を通じての経験や多くの人との交流を軸に、彼女の成長を描く。


[主な登場人物]

レイディ(Lady)
主人公。15才の女の子。身長160cm。Angel Wings史上最年少のパイロット。
「レイディ」の名からわかるように周りから大切にされている。ただ、そのおてんばぶりは「レイディ(貴婦人)」とはほど遠い。「レイディ」には皮肉っぽい意味もあるようだ。一説には「ladybird」(テントウムシ)から由来しているともいう。
短い髪型のせいで男の子とよく間違えられる。スカートもほとんどはかないのでなおさらだ。
7年前に事故死した父「レッドバロン」はAngel Wingsのエースパイロットだった。母は現在もAngel Wingsの広報を担当している。
まだ未成年なので、通信制高校で勉強をしている。
パイロットたちは本名ではなくニックネームで呼び合うことが多い。レイディはじめ以下の登場人物たちの名前もニックネームである。本名は全然決めてない。

ボス(Boss)
ドラゴンフライ隊隊長。40代。現役パイロットとしては支部の中でも最古参の一人。レイディの父の同僚であった。
今は古参隊長なので「ボス」だが、昔は「リンクス」と呼ばれていた。

オリビ(Oribi)
ドラゴンフライ隊副隊長。20代。男。
軍隊(空軍)経験者。幹部候補として副隊長を任せられている。「オリビ」は本名。

バイソン(Bison)
ドラゴンフライ隊隊員。30代。男。
学生時代はフットボール(サッカーではなくアメフト)の選手だったので筋肉もりもり。外見とは異なりインテリで、レイディの家庭教師役をすることもある。
元は輸送部隊所属だったが、一時的にドラゴンフライに配属されている。本来なら隊長をまかせられるぐらいのパイロット。

クレイン(Crane)
ドラゴンフライ隊隊員。女。20代。ドラゴンフライ隊にはレイディの父の死後に加入(補充要員)。
セクシーな東洋系。だが、スポーツできたえているのでけっこう筋肉があります。レイディにとってはお姉さんのような存在であり、また、厳しい先輩でもある。

コマンダー(Commander)
「ナイチンゲール」支部長。艦長ではない。元海軍パイロット。30代後半。以前、ドラゴンフライ隊に所属していた。彼の後任がオリビ。
軍での経験とコネクション、そして統率力が認められ、現在ではAngel Wingsの中枢を担う人物(現地の軍隊と直接交渉することもあったり、軍事的な情報収集をしたりするので、彼のような軍隊経験者は必要なのである)。軍隊はパイロットで退役したのだが、「コマンダー(司令)」と呼ばれている。ドラゴンフライ当時の名前は「アルバ」(アルバトロス)。

アンジェリーナ・ナイチンゲール
約100年前の「西大戦」時に国際救護機関で活躍した女性パイロット。自ら飛行機を操縦し、負傷者の搬送、救護物資の輸送などをした。彼女は「エンジェルウィング」と称賛された。
Angel Wingsが創設されたのは彼女の死後だが、その名の由来はもちろん彼女である。
この世界には看護婦の「ナイチンゲール」は存在しない。


[航空機など]

レッドバロン
ダクテッドファンを2つ搭載した複葉機。複座。全長9m。正式名は「ナツアカネ」だが、その名で呼ぶ人は少ない。
レイディの父の愛機。その後はボスが時々乗っていた。レイディの入隊により彼女の専用機になる。ただ、実際にはこの機体をいつも使うわけではない。残念ながらこの機体は速度も遅く、後続距離も短め。また、装甲が薄いため紛争地帯では飛ぶことはない。最高速度時速400km。その代わり、運動性能は抜群で、離着陸距離が短い。
「レッドバロン」の名はその色からきた名で、レイディの父も同じ名で呼ばれていた。
この世界には戦闘機乗りの「レッドバロン」は存在しない。

ハルシアン
ダクテッドファンを2つ搭載した単葉機。複座。全長12m。Angel Wingsが採用している主力航空機。最高速度時速700km。プロペラ機としては最高性能の飛行機。複座だが1人で運用可能。人を運ぶこともあるので複座にしているのだ。

ハルシアンはAngel Wingsの特注で作られたもの。ただし、一般にも販売してもいいことになっており、各国の保安組織が同型機を購入している。Angel Wings以外の購入も多いため、特殊な機体にもかかわらず価格が高騰せずにすんでいる。
ハルシアンの設計方針は、エンジン故障に備えて双発であること、複座であること、音速以下で運用することなどである。ドッグファイトはまったく想定していない。武装も無い。
初期型のA型、現行機のB型、カナード翼を追加したC型(試験段階)、レーダーなど電子機器を搭載したE型、装甲を簡略化した低価格のL型(消防、海上保安、練習機などとして利用される)がある。

空母ナイチンゲール
某大国の払い下げ空母(払い下げ前の名前は未定)。
維持費がかかるのが難点だが、有事には多くのNGOが仮拠点にも使っていて、非常に頼られている。


[事項]

国際救護機関(International Rescue)
現実世界での赤十字に相当する。

世界連合(World Union)
現実世界での国際連合に相当する。

7年前の事故
当時ティグレ大陸南部の国家間紛争にAngel Wingsも出動していた。そんな中、輸送部隊に先行していたドラゴンフライ隊が、連絡が行き届いていなかった地上部隊から攻撃を受けた。隊長(レイディの父)は撃墜され死亡。アルバ(コマンダー)は撃墜されたが一命はとりとめた。捕虜にされるも、ことの重大性に気づいた軍は直ちに釈放する。リンクス(ボス)だけが無事帰投した。
この事件は国際的に非難され、後の停戦のきっかけになった。Angel Wingsの任務中の撃墜は20年ぶりのことで、世界的に衝撃が大きかった。
父の死はレイディがパイロットを志す直接の動機となった。